総量規制とは?年収の3分の1ルールと対象外の借入をわかりやすく解説
記事内に広告を含みます

総量規制とは、消費者金融などの貸金業者からの借入を、原則として年収の3分の1までに抑えるルールです。年収300万円なら、総量規制上の借入上限は合計100万円が目安です。

総量規制上の扱いは、「対象」「対象外」「除外貸付」「例外貸付」の4つに分かれます。銀行カードローンやクレジットカードのショッピング利用は対象外ですが、自由に借りられるわけではありません。

実際に、お金ルポに寄せられたカードローンの審査口コミ482件では、他社借入なしの人の審査通過率が68.1%でした。一方、申込時の他社借入が年収の30%以上だった人は18.4%です。

本記事では、総量規制の仕組みや対象・対象外になる借入、法律上の上限と実際の審査の違いを、独自データとあわせてわかりやすく解説します。

実際に審査を受けた人の声 5,000件以上!

自分と近い属性の人の
審査結果をチェック

お金ルポは、クレカ・カードローン・
後払いアプリの審査口コミを、

年代・年収・職業などから
かんたんに絞り込めます。

審査口コミを見る

総量規制とは?貸金業者からの借入を年収の3分の1までにする仕組み

総量規制とは、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える新たな貸付けを、貸金業法で原則禁止する仕組みです。借り過ぎや貸し過ぎを防ぎ、返済能力を超える借金を抱えにくくするために設けられています。

ここでいう年収は、原則として税込みの年間収入です。給与や年金、定期的な不動産の賃貸収入、安定した事業所得などが該当し、一時的な収入は含まれません。

個人事業主の場合、事業所得は総収入金額から必要経費を差し引いた金額です。売上をそのまま年収として計算しないよう注意しましょう。

また、年収の3分の1は、貸金業者が貸し付けられる法律上の上限です。3分の1以内であっても、その金額まで借りられるとは限りません。実際の借入額は、収入や他社借入、信用情報などをもとに各社の審査で決まります。

総量規制で禁止されているのは、貸金業者が年収の3分の1を超えて新たに貸し付けることです。すでに3分の1を超える借入があっても、借りた人に罰則はありません。

年収の3分の1はいくら?年収別の早見表

年収の3分の1にあたる金額を、年収別にまとめました。

年収別・総量規制上の借入上限(年収の3分の1)

年収総量規制上の借入上限
200万円約66万円
300万円100万円
400万円約133万円
500万円約166万円
600万円200万円
700万円約233万円

端数が出る場合は、年収の3分の1を超えないよう切り捨てています。ただし、早見表の金額は法律上の上限です。実際の限度額は各社の審査で決まります。

借入は1社ごとではなく「すべての貸金業者の合計」で見られる

総量規制では、1社ごとではなく、すべての貸金業者からの借入残高を合計して年収の3分の1を超えるか判断します。なお、新しくカードローンの枠を作るときは、その会社の分は借入残高ではなく限度額で数えます。まだ1円も借りていなくても、枠の大きさそのものが3分の1の判定に含まれます。

例えば、年収300万円でA社から80万円を借りている場合、総量規制上の残りはB社・C社を合わせて20万円です。A社以外から、さらに100万円借りられるわけではありません。

クレジットカードのキャッシング利用分も、この合計に含まれます。キャッシングを利用している場合は、その借入残高も含めて確認しましょう。

借入額や年収は信用情報と収入証明書で確認される

貸金業者は指定信用情報機関に照会し、他社分を含めた借入残高を確認します。そのため、申込者の自己申告だけで借入状況を判断するわけではありません。

また、1社から50万円を超えて借りる場合や、他社分を含む借入総額が100万円を超える場合は、源泉徴収票などの収入証明書類が必要です。

カードローンのように利用枠を設ける契約では、申し込んだ会社の分は、実際の借入残高ではなく限度額で判断されます(他社の分は借入残高で数えます)。そのため、借入残高が0円でも、50万円を超える限度額を希望すると収入証明書類が必要です。

【一覧】総量規制の対象・対象外になる借入

総量規制上の扱いは、借入先や契約の種類によって異なります。「対象」「対象外」「除外貸付」「例外貸付」の4区分を表で確認しましょう。

総量規制の対象・対象外・除外貸付・例外貸付の一覧

スクロールできます →
区分主な借入総量規制上の扱いなぜその扱いになるか
対象消費者金融のカードローン、クレジットカードのキャッシングなど貸金業者からの借入合計を年収の3分の1までに制限貸金業法が適用される、貸金業者の貸付けのため
対象外銀行カードローン、クレジットカードのショッピング利用、信販会社の販売信用(ショッピングクレジット・分割払い)など総量規制の計算に含まれない銀行は貸金業者にあたらず、ショッピング利用や販売信用はお金を貸す取引ではないため
除外貸付住宅ローン、自動車購入時の自動車担保貸付けなど借入残高に算入されない担保があるなど返済能力を超えるおそれが小さく、年収の3分の1という基準がなじまないため
例外貸付一定条件のおまとめローン、配偶者貸付、個人事業主への事業資金の貸付けなど条件を満たせば年収の3分の1超でも借りられるが、借入残高には算入される返済能力が認められる、または借入の必要性・緊急性が高い場合があるため
注釈

※対象外や除外貸付でも、年収の3分の1を超えて自由に借りられるわけではありません。各社の審査で返済能力が確認されます。

対象になるのは消費者金融やカード会社など貸金業者からの借入

消費者金融やクレジットカード会社、信販会社、事業者金融など、貸金業者が個人へ行う貸付けは原則として総量規制の対象です。カードローンやクレジットカードのキャッシングも含まれます。

また、保証人を付けても、年収の3分の1を超える借入はできません。ただし、自動車の購入時の自動車担保貸付けや有価証券担保貸付けのように、担保や使いみちによって除外貸付・例外貸付にあたるものもあります。それ以外は、担保や保証人の有無にかかわらず、貸金業者から個人への貸付けが原則として総量規制の対象です。

個人事業主への貸付けも原則として対象です。ただし、事業資金は返済能力が認められれば例外貸付となる場合があります。教育資金やレジャーなど個人のために借りる場合は、年収の3分の1までです。

銀行カードローンは総量規制の対象外だが、無制限に借りられるわけではない

銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫は貸金業者ではないため、これらが提供するカードローンは総量規制の対象外です。ただし、年収の3分の1を超えて自由に借りられるわけではありません。銀行も収入や他社借入、信用情報などを確認し、返済能力に応じて融資額を決めます。

また、銀行カードローンでは保証会社が審査を行い、他社からの借入状況も確認されます。保証会社は、消費者金融や信販会社、銀行のグループ会社などが担っています。総量規制の対象外だからといって、審査に通りやすいわけではありません。

クレジットカードはキャッシング枠だけが総量規制の対象

クレジットカードでは、現金を借りるキャッシングが総量規制の対象です。一方、買い物に使うショッピング利用は対象外で、総量規制の計算には含まれません。ショッピングのリボ払いや分割払いには、割賦販売法という別の法律が適用されます。キャッシングをリボ払いで返す場合は貸金業法のままで、総量規制の対象です。

同じ1枚のカードでも、キャッシングとショッピングでは総量規制上の扱いが異なります。

除外貸付|住宅ローン・一定の自動車ローンなど

除外貸付とは、総量規制の借入残高に算入されない貸付けです。例えば、次のような借入があります。

  • 住宅ローン
  • 自動車購入時の自動車担保貸付け
  • 高額療養費の貸付け
  • 有価証券を担保とする貸付け
  • 一定の不動産担保貸付け
  • 売却予定不動産の売却代金で返済する貸付け

なお、自動車ローンがすべて除外貸付になるわけではありません。対象となるのは、自動車の購入資金の貸付けのうち、その自動車を担保に取るか、完済まで所有権を貸主が持つ(所有権留保)ものです。

例外貸付|おまとめローン・配偶者貸付など

例外貸付とは、利用者の利益や借入の緊急性、返済能力などを踏まえ、条件付きで年収の3分の1を超える貸付けを認める仕組みです。

例えば、次のような貸付けが該当します。

  • 顧客に一方的に有利になる借換え(一定のおまとめローンなど)
  • 緊急に必要と認められる医療費の貸付け
  • 配偶者貸付
  • 返済能力が認められる個人事業主への事業資金への貸付け

除外貸付と異なり、例外貸付で借りた金額は借入残高に算入されます。そのため、年収の3分の1を超えて借りたあとは、追加の借入が制限される場合があります。

口コミ482件|他社借入額別に見るカードローンの審査通過率

お金ルポに寄せられたカードローンの審査口コミ482件を、申し込み時点の他社借入額が年収に占める割合別に集計しました。総量規制の上限は年収の3分の1(約33%)ですが、実際の審査では、その手前の段階から通過率が下がっています。

申し込み時点の他社借入額が年収に占める割合別の審査通過率は、次のとおりです。

他社借入額の年収比別・カードローンの審査通過率(口コミ482件)

申込時の他社借入額(年収比)件数審査通過率
借入なし273件68.1%
年収の10%未満63件39.7%
年収の10〜20%未満63件25.4%
年収の20〜30%未満34件29.4%
年収の30%以上49件18.4%

借入なしが最も高く、借入がある区分はいずれも40%未満でした。

年収10~20%未満は25.4%、20~30%未満は29.4%と、中間の区分では通過率が前後しています。ただしこの2区分は63件・34件と件数が少なく、差は誤差の範囲です。借入割合と通過率が単純に比例しているとはいえず、借入額だけで審査結果が決まるとはいえません。

一方、他社借入がある状態でも審査に通過した報告はあります。独自データは審査傾向を見るための参考値としてとらえましょう。

なお、他社借入があっても通過した報告があるカードローンは、以下のページで通過率順に確認できます。

>>他社借入があっても通過実績があるカードローンランキング

注釈

※お金ルポに寄せられたカードローンの審査口コミ(自己申告)482件を集計。通過率は「通過件数÷(通過+審査落ち)件数」で算出しています。投稿者の属性に偏りがある可能性があり、各社が公表する全申込者の通過率とは異なります。集計日:2026年8月2日時点/n=482件。

※「年収の30%以上」には年収の3分の1未満の人も含まれるため、この区分を総量規制オーバーとは判断できません。

総量規制の上限額と借入残高を確認する4ステップ

カードローンやキャッシングに申し込む前に、総量規制上の上限額と現在の借入残高を、次の4ステップで確認しましょう。

  1. 源泉徴収票などで税込みの年収を確認する
  2. 年収を3で割り、総量規制上の上限額を計算する
  3. 貸金業者からの借入残高を確認する
  4. 上限額から、総量規制の対象となる借入残高を差し引く

差額は総量規制上の余地を示す目安であり、実際に借りられる金額ではありません。融資額は各社の審査で決まります。

また、住宅ローンや銀行カードローン、クレジットカードのショッピング残高は、総量規制の計算には含めません。ただし、これらの返済負担も、申込内容や信用情報をもとに審査で確認されることがあります。

なお、転職や働き方の変更で年収が下がれば、総量規制の上限額も下がります。現在の年収をもとに計算しましょう。

総量規制に関するよくある質問

ここからは、総量規制についてよくある質問に回答します。

総量規制を超えたらどうなる?

総量規制を超えている場合、貸金業者は年収の3分の1を超える新たな貸付けができません(除外貸付・例外貸付にあたるものは別です)。すでに借りている分が違法になるわけではなく、返済は契約どおり続き、借りた人に罰則もありません。カードローンのように利用枠がある契約では、貸金業者が定期的に信用情報を調べ、年収の3分の1を超えていると分かれば、限度額の引き下げなど新たな借入を抑える対応をとります。借入残高を減らして3分の1以内に戻れば、総量規制の面では再び借入ができる状態になります(実際に借りられるかは各社の審査で決まります)。

総量規制を超えている場合の具体的な対応は、関連記事で詳しく解説しています。

配偶者貸付とは?専業主婦(主夫)でも借りられる仕組み

配偶者貸付とは、本人と配偶者の年収を合算した金額の3分の1まで貸付けを受けられる例外貸付です。本人に収入がない専業主婦(主夫)でも、利用できる場合があります。

配偶者貸付の上限は、夫婦で共有します。例えば、夫の年収が250万円、妻が50万円なら、2人の年収を合算した300万円の3分の1にあたる100万円が上限です。

また、妻が100万円を借りると、夫は貸金業者からの新たな借入が制限されます。枠が2人分に増えるのではなく、2人で1つの枠を使う仕組みです。ただし、夫がすでに持っているカードローンの枠からの借入や、住宅ローンなどの除外貸付は、この制限の対象外です。

利用には、配偶者の同意書や収入証明書類、戸籍抄本などの婚姻関係を示す書類が必要です。事実婚の場合も、その事実を証明する書類があれば対象になります。配偶者貸付を扱っていない貸金業者もあるため、必ず利用できるとは限りません。

法人や個人事業主の借入も対象になる?

法人への貸付けは総量規制の対象外ですが、個人事業主への貸付けは原則として対象です。ただし事業資金は、事業の実績や収支、資金計画などから返済能力が認められれば、例外貸付として年収の3分の1を超えて借りられる場合があります。

総量規制はいつから始まった?

総量規制を含む改正貸金業法は、2010年6月18日に完全施行されました。貸金業法は2006年12月に改正され、その後、段階的に施行されています。

当時は、複数の業者から借入を重ねる多重債務が社会問題となっていました。総量規制は、貸金業者による過剰な貸付けを防ぎ、この問題に対応するために導入されました。

まとめ|総量規制を理解し、借入残高と返済できる金額を確認しよう

総量規制は、貸金業者からの借入を原則年収の3分の1までにするルールです。銀行カードローンやクレジットカードのショッピング利用は対象外、住宅ローンなどは除外貸付、一定のおまとめローンなどは例外貸付です。例外貸付は借入残高に算入されます。

ただし、3分の1以内でも審査通過は保証されません。申し込み前に年収と対象の借入残高を確認し、無理なく返済できる範囲で検討しましょう。

すでに上限を超えている場合は、関連記事で今後の対応を確認してみてください。

実際に審査を受けた人の声 5,000件以上!

自分と近い属性の人の
審査結果をチェック

お金ルポは、クレカ・カードローン・
後払いアプリの審査口コミを、

年代・年収・職業などから
かんたんに絞り込めます。

審査口コミを見る