▼例文 ライティングを外注する際に注意したい「要件定義」のコツ ライティングを外注するときには、「要件定義」を決めておかなければなりません。 要件定義とは、カンタンにいうと「いついつまでに、こんな記事をこうやって書いてほしい」という指示を出すための元になる「決まり事」です。 要件を定義づけておくことで、外注ライターにも「どんな記事が求められているのか」が伝わりやすくなり、ミスやトラブルを極力減らすことができます。 ここでは、ライティングを外注する前に押さえておきたい「要件定義」のコツをご紹介します。 ライティング外注のときに使う「要件定義」とは? 要件定義とは、“「要件」=どんな記事にしたいのか、を「定義」=決まり事にする”こと。 完成イメージや内容など「どうしてほしいのか」という情報を正しく伝えられていないと、出来上がってきた記事がほしかったものとは違うものになってしまう可能性があります。 ライティングを外注するときには、こうした「どうしてほしいのか」を伝える「要件定義」が必要です。 ▲「要件定義」はどこからどこまで作っておけばいいのか 要件定義を作るときには、できるだけ細かい情報を伝えて、ライターとの間に、認識の違いが生まれないようにしなければなりません。 どんな要件に対して定義づけしておけばいいのかを、まずは確認していきましょう。 ・記事を作る目的 「どうしてその記事が必要なのか」という目的を伝えておきましょう。SEO対策なのか、ネタにする内容をもっと世に広めていきたいのか 商品をアピールしたいのか、などによってライティングの内容が変わってきます。 目的もきちんと共有して、認識のズレによる修正が発生しないようにすることも大切です。 ・細かい文体や構成内容、文字数 文章を書くにあたって、「です・ます調」なのか、「だ・である調」なのかということだけでも、記事全体の雰囲気が変わってきてしまいます。 構成も、見出しはどのくらい必要なのか、といった部分も決めておき、文字数についても上限下限を決めておきます。 ・優先度を共有 「とにかく早くほしい」「質を重視したい」など、その案件では何を優先するのかについて、も共通認識をもてるようにしましょう。 「文字数」「内容」「KW」など、項目はさまざまです。どの項目が優先されるのか、細かく伝えておくと何度も確認の連絡が入ることなくスムースにライティングを進めてもらえます。 ・完成イメージ 記事のイメージに近いサイトや既に掲載されたものがあればそれを提示します。 ・納期 修正が入ることも踏まえて、最終納期よりも早めに設定し、チェック時間を設けておくのがポイントです。 ・発注額 発注額によって、ライター側も受ける受けないを決められる指標となります。適性価格を意識しながら決めましょう。 ・書いてほしい内容やKW 「こんなことを書いてほしい」と内容が決まっているときには、それを伝えます。 SEO対策などでKWを指定するのであれば、KWをどこに入れてほしいのか、どのくらいの数を入れて欲しいのかなども細かく設定しておくと安心です。 ・提出形式 Wordを提出するのか、インターネット上のドキュメントとしてほしいのかなど、提出形式も決めておくようにしましょう。 特に大量に記事の数があるときには、文字の大きさや文体(フォント)も指定しておくと、チェックがラクになります。 ・画像と入稿の有無 記事の作成には、「画像」と「入稿」も深く関わってきます。画像の選定からダウンロード、サイズの調整までライターに依頼するパターンや選定まではお願いしておく方法など、その記事によって、やり方は変えていきましょう。 また、実際に掲載される先への入稿までお任せするなら、どの時点で記事チェックするかなども決めなければなりません。 画稿や入稿の有無は、要件定義の段階で決めておき、工数の計算によって納期を決めたり、発注額を考えるようにしましょう。 ■「要件定義」は完成イメージから作る 要件定義はどんなことを決めておけばいいのかがわかっても、いざ定義づけを始めようとした途端、手が止まってしまうことがあります。そんなときは、まず完成イメージを作るところから始めましょう。 ▲完成イメージの作り方 ・ヒアリングをしっかりする エンドクライアントがいるのであれば、ヒアリングをしっかり行い、「どんなものを作りたいのか」言葉で説明できるようにしておきましょう。 また、自社で作成するものであっても、チーム内の意識を1つにまとめるために軸となるメンバーからのヒアリングを必ず行うことが大切です。 この点を疎かにしていると、ライティングしてもらった記事を見たクライアントから修正がたくさん入ったり、全て書き直しになってしまったりする事態に陥ることがあります。 書き直しになると、発注額が倍になることもあるので、綿密なヒアリングは欠かせないポイントです。 ・レギュレーション化する ヒアリングを元にレギュレーション化していきます。文体や文字数、NG項目などをまとめて一覧にしていきましょう。 レギュレーション化しておくことで、チェックするときのポイント見直しもラクになりますし、ライターへ記事の内容を伝えやすくもなります 。レギュレーションを守らないライターに、「書いてあることを守っていないため修正です」と差し戻しの理由にも使えるため、細かいところまでレギュレーション化しておきましょう。 ・サンプル記事を作るとよい 既に同じ内容で記事が掲載されていないときには、サンプル記事を作ると、完成イメージが伝わりやすくなります。 また、サンプル記事を作る段階で、レギュレーション自体のチェックもできます。レギュレーション漏れがあったときには、追加しながら、1つサンプルを作ってみましょう。 ■発注額・納期は慎重に決める 発注額や納期は、慎重に決めていきましょう。工数や求める質、最終納期なども視野に入れて最適な金額・納期を定めます。 ▲発注額は内容に見合っているかが重要 発注額によって、受けてくれるライターもそれに見合った質の記事を書ける方が集まります。 低くてもいいライターが受けてくれる可能性もありますが、内容に見合っていなければ、引き受け不可と言われ続けてしまう可能性もあるので注意が必要です。 高すぎても予算をオーバーしてしまうので、完成イメージを作った時点で、どのくらいのレベルのライターに依頼したいのかがわかって発注額も決まってきます。 文字単価で決めてもいいのですが、その場合は「書いたら書いただけ」ではなく下限文字数に合わせて金額を設定し、1記事当たりの金額を算出しておくとトラブルを防止できます。 ▲納期はギリギリでも早すぎてもよくない 納期は、ライティングにかかる工数を考えて設定しましょう。画像選定や入稿の有無によって、工数は変わってきます。 ライティングだけであれば3日?可能であっても画像選定が入るならプラス1日以上必要なケースなど、求める質や文字数によっても、必要工数は変わってきます。 どのくらい見積もればいいのかわからないときは、完成イメージを作ってみたときに、どのくらい時間がかかるかを計っておくのがおすすめです。 ■文体・構成を定めておく 要件定義のなかでも重要なポイントとなるのが文体・構成を定めておくことです。ここはレギュレーション化しておく部分となります。 文体とは「です・ます調にする」、「同じ語尾を連続して3回以上使用しない」などの細かい文章に関するルール。 構成とは見出しはいくつあって、小見出しを入れるのかどうか、導入やまとめはどうするのか、といった文章の形式を決めることです。 ▲文体を決めないと修正が増える 文体を決めておかないと、同じ文中に「です・ます」と「だ・である」が混在してしまい、修正箇所が多くなってしまうなど、トラブルが発生しやすくなってしまいます。 修正が増えるとそれだけ工数を要してしまい、最終的な納期に遅れが出てしまいます。修正がなるべく出ないように、あらかじめルールを決めておくことも大切です。 ▲構成を定めておくと本数が多くても統一感がでる 同じところに掲載される記事が数本以上ある場合、構成を定めておくと、どの記事も同じ形の仕上がりになるため統一感がでます。 数ライターに依頼する際にも、構成が決まっているとまとまりがあるため、デザインにもはめやすくなります。 見た目のバラつきがなくなると読みやすくなるため、構成を定めておくこともおすすめです。 ■情報は漏れなく記載する ▲漏れなく記載するポイント ▲情報追加になったときのデメリット ■まとめ ライティングを外注する際には、レギュレーションや納期、画像選定の有無など、情報を漏れなく「要件定義」に含めて記載しておくことが、ディレクションのコツです。 ライターとの認識のズレによって、大幅修正が発生してしまうと、納期にも遅れが出てきてしまいます。 上手な外注には、情報を網羅してわかりやすく伝えられるようになっている「要件定義」が必要です。 忙しいからと後回しにせず、外注前には「要件定義」をしっかりしておくようにしましょう!