▼例文 ■記事タイトル コンテンツマーケティングで欠かせない「ペルソナ」とは ■リード文 コンテンツマーケティングとは、「ユーザーが求めるコンテンツを定期的に発信・提供することによって自社のファンを作り、購買行動につなげていくマーケティング手法」のことです。 自社の売上をアップさせるためのアプローチとして、コンテンツマーケティングは非常に効果的な手法のひとつといえます。 今回は、この「コンテンツマーケティング」に欠かせない「ペルソナ」の概要や事例についてご紹介しましょう。 ペルソナについての理解を深めることで、訴求性の高いコンテンツマーケティングを行えるようになりますよ。 ■ペルソナとは ペルソナとは、「自社サービスのヘビーユーザーになってくれる、象徴的な顧客モデル」のことです。架空のお得意様、と考えるとイメージがわきやすいのではないでしょうか。 本来ペルソナとは、「個々が社会に順応するために演じている人格」という意味の心理学用語でした。 この「ペルソナ」という概念をマーケティングに活かそうとしたのが、プログラミング言語「Visual Basic」の生みの親として知られるアラン・クーパーです。 「コンピューターの使い方がわからない。難しすぎて使えない」 コンピューターの技術革新が進み、操作がどんどん難解になっていくことで、エンドユーザーが置いてきぼりをくらってしまう。 このようなIT業界の現状に危機感を感じたアラン・クーパーは、ユーザーモデル(ペルソナ)を意識したソフトウェアづくりを提唱しました。 以後ペルソナマーケティングは、顧客志向のサービスを作る戦略のひとつとして、多くの企業の広報・企画に活用されています。 ○WEBコンテンツマーケティングとペルソナマーケティングは相性抜群 総務省の調査によると、平成26年末におけるインターネット利用者数は1億18万人。人口普及率にして82.8%という結果がでています。 今やインターネットは、テレビや雑誌に匹敵する一大メディア。コンテンツマーケティングの成果も見込める媒体ですよね。 しかし、インターネットのユーザー層はあまりに対象が広いため、ターゲットを絞らないと散漫なコンテンツになってしまいがちです。 訴求層を明確にするためにも、ペルソナの設定は効果的な手法といえるでしょう。 ■ペルソナマーケティングとターゲットマーケティングの違い ペルソナマーケティングと同一視されやすい手法に「ターゲットマーケティング」がありますが、双方には大きな違いがあります。 ペルソナマーケティングは、たった一人の顧客モデルのために企画を立て、サービスを発信していくマーケティング手法です。 ペルソナには氏名、性別、性格、趣味など、本当の人間のような個性をもたせます。ペルソナを的確に設定できれば、顧客の継続的な獲得につながりやすい点がメリットです。 一方ターゲットマーケティングは、一定のセグメント層に向けて企画を立て、サービスを発信するマーケティング手法です。 ターゲット層については「M1層(20歳~34歳の男性)のビジネスマン」というように、大まかな分類に留めます。 ターゲット層が広いので多くの顧客層に訴求できますが、熱狂的なファンの獲得につながりにくい点がデメリットです。 どちらにもそれぞれメリットがあるので、コンテンツごとにマーケティング手法を使い分けていくとよいでしょう。 ■ペルソナを設定するメリット・デメリット では、ペルソナを設定するメリットとデメリットについて詳しく見てみましょう。 ○ペルソナを設定するメリット ・ユーザーに感情移入して企画を立てられる ・ユーザー視点のサービスを提供できるようになる ・プロジェクトチーム間でユーザーのイメージを共有できる ・コミュニケーションシナリオを立てやすくなる ペルソナを設定することで、プロジェクトチーム全員が「自社のユーザー像」を共有できるようになります。 コミュニケーションシナリオ(ユーザーが購買行動を起こすまでのシナリオ)やプロモーション方法をデザインしやすくなる点もメリットです。 ○ペルソナを設定するデメリット ・ペルソナの設定には手間や時間がかかる ・誤ったペルソナを設定するリスクもある 誤ったペルソナを設定してしまうと訴求性が低下しやすいというデメリットがあります。 ユーザーのデモグラフィックとサイコグラフィックの分析を行い、実際のユーザー層と乖離しない「ペルソナ」を設定することが大切です。 ■ペルソナマーケティングの成功事例 ペルソナマーケティングの成功事例としては、大和ハウスの住宅商品「エディズハウス」が挙げられます。 今までにないデザイナーズ住宅「エディズハウス」のペルソナ設定に際して、大和ハウスは顧客やweb会員にインタビューを実施。 購入層のライフスタイルや価値観について入念にリサーチしたうえで、ペルソナのデザインを行ったのだそうです。 結果、web会員数は約5倍に増加。デザイナーズ住宅の販売拡大にもつながり、顧客満足度・プロモーション展開ともに高評価を獲得しました。 的確なペルソナの設定がブランディングにつながった好例といえるでしょう。 ■ペルソナを作ってみよう では最後に、ペルソナの作り方について見てみましょう。 1顧客層の設定 まず、ターゲットマーケティングと同じように、大まかなターゲット層の設定を行います。 自社の顧客の傾向をふまえたうえで、「今後顧客にしていきたい人」や「今後自社の顧客になってくれそうな人」をターゲットに設定しましょう。 2インタビュー等による生のサイコグラフィックの収集 設定したターゲット層についてインタビュー等を行い、サイコグラフィックの傾向を収集します。 サイコグラフィック(心理学的変数)とは、個々のライフスタイルや価値観といった、顧客の内的な属性のことです。 サイコグラフィックの傾向を知ることで、自社の顧客の潜在的なニーズもつかみやすくなります。 年齢や家族構成、年収といった基本的なプロフィールをはじめとして、1日の過ごし方や、よく利用するメディア媒体(情報源) 今年の目標、死ぬまでに達成したいこと、お金を惜しまないコンテンツジャンル、嫌いな広告の種類、商品を購入するまでの行動パターンなど、プライベートな事情まで調査できるとベターです。 3サイコグラフィックをグループ化、平均化する(グルーピング) インタビュー等で収集した情報を仕分けして、共通項をまとめます。 ターゲット層の共通点を見つけ、ペルソナのプロフィールの土台を作りましょう。 4ペルソナにおとしこむ(プロフィールや行動パターンを具体化) 情報のグルーピングが終わったら、いよいよペルソナを具体化していきます。 名前、年齢、住所、家族構成、趣味、仕事(勤務歴)などのプロフィールを設定したうえで、1日の行動パターンを練り込んでいきましょう。 特に、インターネットの利用頻度や、よく利用するサイト名、行きつけのお店、好きなブランドといった「消費行動のパターン」は入念に設定することをおすすめします。 顔写真や似顔絵を作って、プロジェクトチーム全員で「ペルソナのビジュアル」を共有できるようにしておくのも効果的です。 ペルソナに愛着がわきやすくなるだけでなく、よいインスピレーションを得るきっかけにもなりますよ。 ■まとめ 「コンテンツマーケティング」に欠かせない、「ペルソナ」の概要や事例についてご紹介しました。 多種多様なサービスが絶え間なく提供される現代社会では、より「個」のニーズにフォーカスした、質の高いサービスが求められる傾向にあります。 ペルソナを的確に設定して、顧客層の潜在的なニーズを引き出してみてはいかがでしょうか。