最近では、コンビニやスーパーなどの実店舗でもスマートフォンだけで、スムーズに買い物できる「後払いアプリ」が増えてきました。
手軽に使える反面、数多くのアプリが存在しているため、「自分に合うサービスをどう選べばよいのかわかない」という方もいるでしょう。
この記事では、実店舗対応の後払いアプリを厳選し、それぞれのサービスの特徴や、後払いアプリの選び方、注意点をわかりやすくまとめました。
- バンドルカード ポチっとチャージ
- ワンバンク(旧:B/43)あとばらいチャージ
- ナッジカード いつでも好きなだけ返済
- みんなの銀行 カバー
- Kyash イマすぐ入金
- VALUECA(バリューカ) スマートクレカ
実店舗で使える後払いアプリ6選
アプリによって「アプリ内でクレジットモードを切り替えられるタイプ」「Visaプリペイドカード型」など仕組みが異なり、還元率や利用限度額も変わります。
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
バンドルカード ポチっとチャージ
サービス提供元 | 株式会社カンム |
後払いの方法 | ポチっとチャージを利用する |
事前審査の有無 | なし(ポチっとチャージは審査あり) |
使える場所 | Visa加盟店 |
貯まるポイント | なし |
- 安心のMUFGグループ
- 電話番号だけでVisaのプリペイドカードを発行
- 後払いで1回当たり最大5万円までチャージできる
「バンドルカード」は、アプリから最短1分でバーチャルなVisaプリペイドカードを発行できるサービスです。
ポチっとチャージ機能に申し込めば、最大5万円まで後払いが可能です。
チャージ分は入金日の翌月末までに、セブン銀行ATMやコンビニ、ネット銀行などから支払いを済ませましょう。ただし、チャージ金額に応じて510円〜1,830円の手数料がかかります。
実店舗で利用するには、リアルカード、またはリアル+を発行する必要があります。
カードを発行する場合、アプリトップページの「リアルカード発行」からカードタイプを選択し、デザインを選んで手続きを済ませましょう。

バーチャルカードとリアルカードの違いは主に以下のとおりです。
利用場所 | バーチャル | リアル | リアル+ |
---|---|---|---|
国内のオンライン加盟店 | |||
海外のオンライン加盟店 | |||
国内の実店舗 | |||
海外の実店舗 | |||
ガソリンスタンド | |||
宿泊施設※1 | |||
ハイリスク認定されたサービス※2 |
(※2) Visa側で「ハイリスク」と認定された加盟店のことです。
参照:バンドルカード
また、チャージ上限額にも違いがあり、バーチャルカードとリアルカードはカード残高10万円まで、リアル+は100万円までチャージ可能です。後払いサービス「ポチっとチャージ」の上限金額に違いはありません。
リアルカードを作るには別途費用がかかり、リアルカードが300円または400円、リアル+が600円または700円で発行できます。(デザインによって価格が異なります。)
国内の実店舗だけで利用するならリアル、頻繁に海外旅行にいく、ガソリンスタンドで使いたい、チャージ上限を上げたいのであればリアル+を申し込むとよいでしょう。
ワンバンク(旧:B/43)あとばらいチャージ
- Visaのプリペイドカードが家計簿アプリとセットに
- 後払いで5万円までチャージできる
- 夫婦やカップルで一緒に利用できる共通口座も
サービス提供元 | 株式会社スマートバンク |
後払いの方法 | あとばらいチャージを利用する |
事前審査の有無 | なし(あとばらいチャージは審査あり) |
使える場所 | Visa加盟店 |
貯まるポイント | なし |
「ワンバンク(旧:B/43)」は、Visaプリペイドカードを家計簿アプリと一体化して使える決済アプリです。
後払いサービス「あとばらいチャージ」を利用すれば、最大5万円まですぐにチャージが可能。ただし、チャージ額に応じて1回につき500〜1,800円の手数料が発生する点に注意しましょう。
ワンバンクカードを実店舗で利用するには、リアルカードを発行する必要があります。アプリをダウンロードしてメールアドレス、電話番号を登録すればアカウント登録は完了です。
その後「マイカードの発行」をタップして、必要情報を入力したら、発行したいカードを選択しましょう。

実店舗で使えるワンバンクのカードタイプは「ICチップ付きカード」と「磁気カード」の2種類で、発行手数料などが以下のように異なります。
機能 | バーチャルカード (マイカードのみ) | 磁気カード | ICチップ付きカード |
---|---|---|---|
ICチップ搭載 | |||
Visaタッチ決済 | |||
オンライン決済 | |||
3Dセキュア | |||
カード発行料 | 0円 | 0円 | 500円※1 |
※1 キャンペーン価格
磁気カードは初回は手数料無料で発行可能ですが、ICチップを差し込む形での支払い方法や、タッチ決済に対応しておらず、手渡しやスライドでの決済となります。
一方、ICチップ付きカードはICチップ専用端末へ差し込む形や、Visaタッチ決済に対応しており、スムーズな決済が可能です。
なお、現在キャンペーン期間中のため、初回500円で申し込めます(2025年3月時点)。
ただし、ワンバンク(旧:B/43)のリアルカードは一般的なクレジットカードと違い、定期支払いとなる一部公共料金や携帯料金、支払い金額があとから決まる宿泊施設やガソリンスタンドでは利用できない点に注意しましょう。
なお、ワンバンクのサブスクリプションサービス「ワンバンクプラス(月払い480円)」に登録すれば、初回のみICチップ付きカードを無料で発行できます。

ワンバンクの家計簿機能をフル活用したい方は、サブスクリプションの登録を検討してみてもよいでしょう。
ナッジカード いつでも好きなだけ返済
サービス提供元 | ナッジ株式会社 |
後払いの方法 | クレジットカード払いを利用する |
事前審査の有無 | あり |
使える場所 | Visa加盟店 |
貯まるポイント | なし |
- 最短で即日発行
- 18歳以上であれば高校生でも発行可能
- 支払い回数や金額、支払い日を自由に決められる
「ナッジカード」は、従来のクレジットカードとは少し異なる仕組みを取り入れた次世代型サービスです。審査完了後およそ5営業日でVisaカードが届き、Visa加盟店で利用できます。
特徴的なのが、取引確定月の翌々月末までに自由なタイミング・自由な金額で返済可能な「いつでも好きなだけ返済」機能があることです。
返済した分だけすぐに利用限度額が回復するのもうれしいポイントでしょう。
ナッジカードの「いつでも好きなだけ返済」で利用可能な返済方法は、以下のとおりです。
- セブン銀行ATM
- 銀行振込
支払い期限が一般的なクレジットカードよりも余裕がある点はメリットだといえますが、利用確定月の翌々月1日から利息が発生する点には注意が必要です。翌月末までなら利息は発生しないため、早めの返済がおすすめです。
もちろん、従来のクレジットカードと同様、翌月20日に銀行口座から引き落とされる「月1回まとめ払い」も利用できます。
返済方法 | 特徴 |
---|---|
いつでも好きなだけ返済 | ・翌々月末日までの好きなタイミングで支払える ・何回に分けて支払ってもOK ・金額も自由に決められる |
月1回おまとめ払い | ・一般的なクレジットカード同様、銀行口座から自動引落 ・月末締め、翌月20日引落し |
また、多くのクレジットカードは高校生は作れませんが、ナッジカードは独自の審査基準により、18歳以上であれば高校生でも発行できる点も特徴です。
学生のために作られたクレジットカード「学生部」は、利用上限が最大10万円に設定されているため、使いすぎを防いで安心して利用できます。
みんなの銀行 カバー

サービス提供元 | 株式会社みんなの銀行 |
後払いの方法 | 最大5万円を自動立て替えられる |
事前審査の有無 | なし(カバーは審査あり) |
使える場所 | 制限なし |
貯まるポイント | なし |
- 最大5万円を無利息で立て替えられる
- ショッピングの後払い以外にも利用可能
- カバーを利用するには月額600円のプレミアムサービスへの登録が必要
「みんなの銀行 カバー」は、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の株式会社みんなの銀行が運営するデジタルバンク「みんなの銀行」の後払いサービスです。
リアルカードの発行はありませんが、スマートフォンにバーチャルデビットカードを登録すれば、QUICPay+(タッチ決済)に対応した実店舗でのショッピングが可能です。
口座開設からデビットカード発行までアプリ上で完結します。デビットカードに「カバー機能」を追加登録すると、残高が足りなくても最大5万円まで立替払いで買い物が可能です。
カバー機能で立て替えた分の返済日は決まっておらず、余裕資金がある際にウォレット(普通預金)に入金するだけで自動的に返済が完了します。
「みんなの銀行 カバー」を利用するには、「みんなの銀行」の普通預金口座を開設し、月額600円のPremium(プレミアム)への加入が必要です。
Premiumへのアップグレードから、6ヵ月間は無料で利用できます。
Kyash イマすぐ入金

サービス提供元 | 株式会社Kyash |
後払いの方法 | イマすぐ入金でチャージする |
事前審査の有無 | なし(イマすぐ入金は審査あり) |
使える場所 | Visa加盟店 |
貯まるポイント | Kyashポイント(100円ごとに最大1ポイント) |
- 審査なしでVisaのプリペイドカードを発行
- 後払いで5万円までチャージできる
- Kyashポイントを最大1.0%還元
- 複数人で使える共有口座を無料で作成できる
「Kyash(キャッシュ)」は、Visaプリペイドカードを発行できるアプリで、実店舗でも利用できます。
カードタイプは3種類あり、それぞれ発行手数料、ポイント還元率、利用できる店舗が異なります。
カードの種類 | カードタイプ | 発行手数料 | ポイント還元率 | 用途 |
---|---|---|---|---|
Kyash Card Virtual | バーチャルカード | 無料 | 最大0.5% | ネットショッピングとQUICPay+対応店舗で使えるバーチャルカード |
Kyash Card Lite※ | リアルカード | 300円 | 最大0.5% | 国内の実店舗、海外のオンラインVisa加盟店で利用可能 |
Kyash Card | リアルカード | 900円 | 最大1.0% | 国内・海外の実店舗で利用可能 |
リアルカードを発行する際は、アプリの画面左上のカードマークをタップして、カードタイプを選択後、本人確認書類を撮影すれば手続きは完了です。

Kyashは基本的に前払いチャージでプリペイドカードを利用しますが、後払いサービスの「イマすぐ入金」を利用すると、最大5万円を数タップでKyashアカウントへチャージでき、支払いを翌月末まで猶予できます。
ただし、利用時には1回ごとに定額手数料がかかり、チャージ金額が多いほど手数料も高くなる仕組みです。
「イマすぐ入金」のチャージ金額 | 手数料 |
---|---|
3,000円~1万円 | 500円 |
1万1,000円~2万円 | 800円 |
2万1,000円~3万円 | 1,150円 |
3万1,000円~4万円 | 1,500円 |
4万1,000円~5万円 | 1,800円 |
VALUECA(バリューカ) スマートクレカ

サービス提供元 | 株式会社アプラス |
後払いの方法 | スマートクレカを利用する |
事前審査の有無 | なし(スマートクレカ利用時に審査) |
使える場所 | Visa加盟店(店頭はVisaのタッチ決済、QUICPay+が利用できる場所でのみ利用可能) |
貯まるポイント | Vポイント |
- オートチャージ機能あり
- 200円ごとにVポイントを1ポイント還元
- 貯めたVポイントを1ポイント1円として残高にチャージできる
「VALUECA(バリューカ)」は、2025年2月16日にSBI新生銀行グループの株式会社アプラスからリリースされたアプリ型のVisaプリペイドカードです。
後払いサービス「スマートクレカ」に申し込めば、残高が足りないとき自動で不足分を立て替えてチャージしてくれます。利用額は翌月末までに支払えば、手数料無料です。
スマートクレカの利用には審査が必要ですが、最短即日から利用できます。
リアルカードの発行には対応していませんが、アプリインストール後、アカウント登録が完了すればVisaプリペイドカードが発行されます。
スマートフォンにバーチャルカードを登録すれば、Visaのタッチ決済やQUICPay+に対応する実店舗で利用可能です。
200円(利用)ごとの利用につきVポイントが1ポイント還元され、1ポイント1円として残高にチャージできます。
普段からVポイントが貯まる店舗を利用している方におすすめの後払いです。
後払いアプリを選ぶ際の4つのチェックポイント
実店舗対応の後払いアプリは豊富にありますが、「どれを選べばよいのかわからない」という方も多いでしょう。
サービスを選ぶ際には、以下の4点をチェックするのがおすすめです。
- 対応店舗の種類と数をまず確認しよう
- 手数料体系を比較して長期的コストを計算する
- 後払いアプリの審査基準を理解しておく
- 支払い期限の柔軟性をチェック
対応店舗の種類と数をまず確認しよう
まずは、普段利用する店舗で後払い決済を使えるかどうかを確認してください。
特に実店舗で使いたいなら、Visa加盟店でリアルカードを提示するタイプか、スマートフォンのタッチ決済のみなのか、などを把握しておく必要があります。
例えば「バンドルカード」や「ワンバンク(旧:B/43)」などはVisaブランドのリアルカードを発行できるため、Visa加盟店であれば全国ほぼどこでも使える点が魅力です。
一方、VALUECAのようにリアルカードが存在せず、「QUICPay+」か「Visaタッチ決済」しか利用できないアプリも存在します。
そのような場合は「利用できないお店も少なからずある」ことを踏まえて選ぶのが重要でしょう。
手数料体系を比較して長期的コストを計算する
「翌月一括払いなら無料」となるアプリは多いものの、なかにはチャージ時に数百円以上の手数料が発生するタイプもあります。
例えば、「ワンバンク(旧:B/43)」では「あとばらいチャージ」を利用するたび、金額に応じて500円〜1,800円の手数料がかかります。
少額チャージを繰り返すと、そのたびに手数料がかかり、結果的に高コストになる恐れも。
各サービスの手数料は、利用金額や条件によって異なる場合があります。最新の情報や詳細については、各サービスの公式サイトをご確認ください。
金利や手数料がどう計算されるのか、1回あたりどのくらいの負担があるのかを事前に試算しておきましょう。
後払いアプリの審査基準を理解しておく
後払いアプリを利用する際は、アプリごとの審査基準を理解しておきましょう。多くの後払いアプリでは、利用時に社内審査が行われています。
例えば、バンドルカードのバーチャルカード(Visaプリペイドカード)は年齢制限なく審査不要で利用可能なので、クレジットカードが持てない方にもおすすめです。
一方、後払いサービスの「ポチっとチャージ」は申し込みの都度審査が実施されます。
また、ナッジカード、VALUECA スマートクレカのようなサービスでは、各社独自の基準に基づいた事前審査が実施されます。
住所や勤務先、年収など詳細な情報を正確に提供することで、審査を円滑に進めることができるでしょう。
各サービスの特徴を理解し、自身の返済能力や支払い状況に合ったサービスを選ぶことで、後払いアプリを快適に利用できます。
支払い期限の柔軟性をチェック
後払いアプリは、多くが月末締め・翌月末払いまたは翌月10日払いなど、決まった清算サイクルを採用しています。
本記事で紹介している後払いアプリの支払い期限を表にまとめたので参考にしてください。
サービス名 | 支払い期日(返済期限) |
---|---|
バンドルカード | チャージ日の翌月末日まで |
ワンバンク(旧:B/43) | チャージ日の翌月末日まで |
ナッジカード | ・いつでも好きなだけ返済:取引確定月の翌々月末までに自由なタイミング ・金額で返済可能(翌々月1日から利息発生) ・月1回おまとめ払い:毎月20日に銀行口座から引き落とし |
みんなの銀行 カバー | 指定の「期日」はなく口座に入金した時点で自動的に返済 |
Kyash | チャージ月の翌月末日まで |
VALUECA | 5日締め、当月27日まで |
翌月末までの支払いが一般的ですが、なかにはナッジカードのように取引確定月の翌々月末まで支払い猶予があるサービスも存在します。
ただし、利息発生日は翌々月の1日から発生するので、このような細かいルールを理解しておくことも重要です。
複数のアプリを併用する場合、支払い期日を勘違いしないよう気をつけておきましょう。
後払いアプリを利用する際の注意点
ここでは、後払いアプリを使うときに注意すべき2つのポイントをご紹介します。
- クレジットカードと比較して利用限度額が低い
- 支払い遅延は信用情報に影響を与える可能性がある
クレジットカードと比較して利用限度額が低い
多くの後払いサービスは、最大5万円ほどの小口決済向けの枠が設定されています。
クレジットカードのように、すぐに10万円以上の買い物をしたい場合は、後払いアプリだけでは厳しいかもしれません。
まとまった金額を支払う予定があるなら、ある程度の枠が用意されるクレジットカードタイプを選ぶか、事前にサービス上限額を確認しておくのが安全です。
支払い遅延は信用情報に影響を与える可能性がある
後払いアプリでも、長期延滞(2〜3ヵ月以上)すると信用情報機関に延滞記録が登録される可能性があります。
特に、VALUECAやナッジカードなど、クレジットカードと提携しているタイプは確実に信用情報と紐づくため、「後払いなら何ヵ月でも延長できる」という甘い考えは禁物です。
短期間のうっかり延滞でも、利用停止や遅延金が発生し、再審査を通るのが難しくなる可能性もあります。
スマートフォンアプリの支払いリマインド機能を活用するなど、支払い遅れが生じないよう気をつけて運用しましょう。
まとめ
本記事では、実店舗で使える後払いアプリ7選と選び方、注意点について解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 後払いアプリは「バンドルカード」「ワンバンク(旧:B/43)」「ナッジカード」「みんなの銀行カバー」「Kyash」「VALUECA」など多彩
- 利用場所やブランドによって、Visaタッチ決済・iDなど対応方式や還元率が異なる
- 月額制やチャージ手数料の有無、利用限度額の上限など、サービスごとにコスト面が違う
- 支払い期日は「翌月末」「翌々月末」などアプリごとに異なるため、併用する際は注意が必要
- 遅延が続くと信用情報に影響するため、無理のない範囲で確実に返済することが重要
後払いアプリは小口決済に便利な反面、無計画に使うと返済が難しくなるリスクもあります。
各サービスの特徴や手数料、支払いスケジュールをしっかり把握したうえで、自分のライフスタイルに合った賢い使い方を心がけましょう。
ぜひ本記事を参考に、ご自身にぴったりの後払いアプリを試してみてください。